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ふと気になったので自粛による交通事故削減効果を調べてみた

エッセンシャルモビリティに限定すると交通事故は減るのか?

緊急事態宣言の延長で各種で辛い思いをされている方も多いと思います。
人の命を守るためとは言え、移動自粛、出勤自粛による経済への影響が大きく、経済によって死ぬ人たちが出るかもしれない。新型コロナの特性が見極められない状況にあってそろそろ種々の立場に国内も分かれてくるのかなと思います。

また今回の各種自粛には経済以外にも様々な副作用(良い方にも悪いほうにも)があるのかなと思います。

例えば中国では都市封鎖や移動自粛で一時期は大気汚染が減少した様な話も出ていたと思います。

CNN.co.jp : 新型ウイルス対策で中国の大気汚染が改善、数万人が救われた可能性 - (1/2)

ふと思ったのですが、これだけ自粛生活が続いていれば、エッセンシャルな移動である物流や公共交通機関以外のクルマの交通量は減っているはずです。
外を歩く人の数も減ったのであれば、必然的に交通事故も減っているはず...と思って、東京、神奈川、愛知を調べてみました。

警視庁、神奈川県警、愛知県警が公開している日報ベースで見ると下記の様な感じです。(5/6現在)

交通人身事故発生状況(日報) 警視庁
神奈川県警察/交通事故発生状況
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/jikonippou/documents/koutsuushibouzikonippou020506.pdf


発生件数 増減数(対前年) 増減率%
東京都 8385 -2681 -24.2
神奈川県 6709 -1264 -15.9
愛知県 8692 -2659 -19.5
死者数 増減数(対前年) 増減率%
東京都 48 5 11.6
神奈川県 55 11 25
愛知県 60 16 36
負傷者数 増減数(対前年) 増減率%
東京都 9410 -3231 -25.6
神奈川県 7797 -1539 -16.5
愛知県 10349 -2659 -20.4

今年に入っての累積の事故件数や負傷者数で見ると3都県共に15〜20%、前年比で減っています。
ただし残念な事に死者数は減っていません。

月単位で変動がみたいところですが、神奈川なんかは月単位のデータは2月までしかまだ出ていません。
東京都の3月までの月次データで事故件数を見るとこんな感じです。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/traffic_accident.files/hassei1.pdf

令和2年 平成31年 前年差 前年比
1月 2303 2693 -390 -14%
2月 2233 2297 -64 -3%
3月 2227 2956 -729 -25%

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東京都令和2年事故件数(1〜3月)

件数自体は実は1,2,3月共に減っています。
それでも学校の休校措置が取られた3月は大きく減少した様に見えます。

愛知県の1〜3月の同様のデータです。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/R2.03.aitikennnokoutuujikohasseijyoukyou.pdf

令和2年 平成31年 前年差 前年比
1月 2228 2492 -264 -11%
2月 2347 2468 -121 -5%
3月 2201 2829 -628 -22%

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愛知県令和2年事故件数(1〜3月)

見かけ上は東京と同じ様な傾向になっています。
もう少し他府県のデータを並べてみるか、4月の統計が出たら比べるとちゃんと傾向が出ると思いますが、気力が。
一応、大阪府警の速報値だけ見ると、
昨日の交通事故発生状況(速報値)/大阪府警本部

累積件数が8,716,前年比-1,617件(-15.6%)で事故件数自体は減っているのですが、死者数は累計48人で前年比+4人(+9.1%)。
事故件数はかなり減っているのに交通事故死者数は減っていないという残念な結果になっています。

おそらく全国的に事故は減っているのでは?と思うのですが、事故死者が減っていない事と、首都高のルーレット族のニュースとか見る限り、危険な運転をするドライバーに限って自粛していないのかもしれません。