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同一賃金とは?(社員食堂の価格差は賃金差なのか?)

[diary]社員食堂の価格差の話

delete-all.hatenablog.com
上記のエントリー、要するに社員食堂で自社社員と派遣さんや協力会社の人に対して価格差を付ける事はフェアなのかアンフェアなのか?という話なんですが、結構難しいなと思ってしまった。

うちの会社にも社員食堂はあって、自分の認識が間違って無ければ、社員も協力会社の人も同一価格です。
一方でネットを徘徊していると、そもそも派遣社員や協力社員は社員食堂利用出来ないって会社も結構あるらしく、それに比べれば上記の例はまだマシにも見えるんですが。

直感的にはこの価格差は「えー酷い」なんですが、上記エントリに出てくる件の会社の人の「福利厚生」っていうのがキーワードなんだと思う。

昔からある一定規模以上の会社や工場にある社員食堂というのはこの「社員に対する福利厚生」って考えで作られていることが多分多くて、その意味は「あまり高い給料は払えないけど、規模のメリットを活かして食材一括購入とかでコストを下げた食事を社員に提供して、少しでも生活を安定させてもらおう」みたいな事じゃないかと思います。多分、会社の経費予算的には社食の運営費というのは、最終的には社員一人あたりのローディングに反映される様な形。実際、福利厚生費は人件費の一部を構成するらしいのですが(経理関係は素人なので間違ってたらすみません)、ここのコストに社員以外の人に対応する分が乗っかると、結果的に社員一人あたりの人件費が大きく見えてしまうとか、そういう話じゃないかと思います。

会社の予算管理とか経費管理的には、社食の運営費を自社社員分と派遣・協力会社の人数比とかで分割して別費目で管理出来ないのかな?と思うのですが、そこは良く判りません。
費目管理はともかくとして、いずれにせよ、社員の人数で想定した以上の出金が出るので、会社的にはなんとかしたいのでしょう。

フェア、アンフェアの議論の中で社食を「福利厚生」と捉えると、派遣・協力会社の人の「福利厚生」はそれぞれの派遣元の会社が考えるべき事項という捉えかたも出来ます。それでも社食を派遣・協力会社の人に開放しているのは、ある種の好意的な便宜提供なんだというのが件の会社の理屈なんだろうなと...

そもそも「福利厚生」としての「社食」というのはほとんどの会社員が「正社員」だった時代の制度なので、派遣社員の数>正社員の数みたいな状況では、正社員と派遣の待遇差見たいな見え方になってしまい、無理が出る(アンフェア感が出る)のだと思います。

これが社食から「福利厚生」の看板を外してしまえば簡単で、社食自体を完全な独立採算事業化して、社員への福利厚生は別のところで支給すれば、社食の提供価格は一律共通になります。
うちの会社の社食は同一価格と書きましたが、そもそも社食の運営自体が別会社(子会社のケースと、外部企業に運営任せちゃってるケースがあります)なので、社食の運営費は人件費を圧迫しない構造だろうと思います。
とある事業場はかなりの規模なので、今は判りませんが、昔自分が居た頃は事業上内に複数の社食があり、それぞれを別の外部企業の運営させて価格競争させていました。
あと、昼休みにマックの移動販売があったりとか。

ある程度規模があるのであれば、こんな感じで、社食運営は独立採算の会社のアウトソース、社員に福利厚生として安くお昼ごはん食べさせたいなら、月額いくら分か昼食補助出すとか、社食で使えるプリペイドカード支給すれば良いんじゃないかと思います。

最近、同一労働=同一賃金という議論もあり、例えば正社員と契約社員も仕事が同じなら同じ給料払えという話なのですが、福利厚生部分をどう捉えるのか?結構難しいなと。
個人的には食事というのは生活の質の基本であるし、生活の中で占めるコストも結構あるので、ある程度規模のある会社であれば、社員も派遣も協力会社の人も、同じ事業を支えてくれる貴重な人材として、規模による生活コスト低減メリットを別け隔てなく享受出来るようにして欲しいなと思います。これが例えば社員専用スポーツジムみたいな話なら社員以外利用禁止でも個人的には全く問題無い。

ただし、原則論としては派遣社員や協力会社の人の福利厚生を考えるべきは、それぞれの所属会社なので、自社社員の福利厚生を優先したからといって非難される話では無いと思う。

【追記】
何年か前によく仕事でブラジルに行ってたんですが、一緒に仕事していた現地の人は会社からフードチケットを支給されていました。
社食みたいなのは無くて、会社の近くのレストランでお昼食べるんですが、フードチケットと言っても見た目はクレカやデビッドカードと同じで、機能的には飲食店でのみ使えるデビッドカード。
毎月会社が一定額をチャージしてくれるらしいです。割と現地では一般的みたいなことを言ってました。

後、日本の話で、昔の社食は安ければ味は最低限で、腹が膨らめばいいみたい感じだったけど、最近は内装もオシャレ感を出し、味や見た目も...になってきているところが多くて、その分値段も上がっており、「とにかく安く食える」みたいな価値は無くなってきました。
うちの会社の社食も年々値上がり、そのへんのチェーンの飲食店と変わらなくなってる割に、味も対して改善せず、昼休みに遠出せずにすぐ飯食えるくらいしかメリット無くなってきた。社食に限らず、福利厚生面はどんどん削られているので、それに比べると社員に対する福利厚生の位置づけを維持しようとしている件の会社は、少なくとも自社社員をがんばって大事にしているのかもしれませんよ。

【追記2】
社食のフェアネスについて自分としての要点を纏めると、

  • 社食は福利厚生と切り離して、独立採算性(会社からの補助とかは出さない)
  • 同じ会社で働く人なら、正社員・派遣社員・協力社員問わず、制約無しで利用可能
  • 同じメニューなら誰が食べても同じ価格
  • (福利厚生から切り離した結果として、おそらくは)提供価格自体は値上がりします

これで完全にフェア。
福利厚生はそれぞれの会社の専権事項だから、それぞれの会社で別に考えて下さい。

だと思うのだけど、多分多くの人が思っているのは「社食持っている様な大きな企業は安いメニューを全員に別け隔てなく提供しろ!!」な気がするので、上記のフェアはあまり受け入れられない予感がします。自分は感情論はさておくと、論理的には件の会社の対応はフェアだし、経理とか税務とか色々縛りがあった上での仕方の無い対応だろうと理解しています。
でも、これって社食の問題ではなくて、日本全体に蔓延している、多重請負構造(中小企業がやたらに多く、業界毎にピラミッド構造を構成している)をなんとかするのが先決で、抜本的には「安いメニューを提供」ではなくて昼飯代が市場価格に上がっても生活出来るレベルの「給与に上げる」方向に議論を持って行かないとダメなんだと。

じゃあ、どうすればうっかりマネージメントになっちゃったエンジニアは幸せになれるのか?

[diary]答えはひとつ、マネージメントをしない

いやいやいやいや、それじゃダメでしょ(笑)
昨日のエントリで、コミュ障エンジニア諸氏と付き合う周りの人、特に管理職は辛いのよ..と書いたけど、なんか解決策は無いか?
そもそもHRM(Human Resource Management)の辛さって、別にチームにコミュ障な人が居ようが居まいが、それなりに辛いのですよ。

特にIT関係、ソフトウェア開発者の職場で、プログラマ上がりとかでうっかり管理職に上がっちゃったりすると。

なので、管理職が感じるHRMの辛さについて、ASD未満というか対人コミュニケーションが苦手なエンジニアの人たちが過剰に負い目に感じる必要も無いのかな..冷静に考えると。

それはともかく、どう解決すんの?っというと、この際、流行に乗って全部AIに投げちゃえっと!!
少なくともある工程より下流のタスクの割り振りや進捗管理はすべてAIで機械的にやる。
タスクの依頼もAIからredmineとかJIRAとかで自動的に割り振られる。
エンジニアは部門とか事業部で縛らず、大きなリソースプールにしてバーチャルなPJを流動的に渡り歩ける様にする。(これ自体はシリコンバレーとかのITベンチャーではやられている)

  1. エンジニアのスキルや過去実績をDBに登録

  2. エンジニアの給料は基本給+振られたタスクの完了実績に伴う成功報酬方式の歩合制(基本給だけでは生活できず、ある程度は歩合給を確保しないと生活出来ないくらいのバランスで)
  3. 上流の人は要件書や仕様書、開発依頼をチケットに登録

  4. AIが要件書や仕様書を評価、仕様の明確さ、複雑度、必要な技術、ボリューム等でClassify,手が空いている、もしくは現在のタスクがまもなく終わるエンジニアからスキルマッチで担当者候補を抽出
  5. AIは同時にタスクの難易度や納期等からタスクの単価を設定
  6. AIが担当者候補のエンジニアにタスク概要をRFPとして一斉通知
  7. 通知を受けたエンジニア側は自分がやりたい場合は、納期見積もりや仕様への質問事項、希望単価を返信して応札
  8. AIが落札エンジニアと価格を決定
  9. 落札エンジニアはタスクの発注者である上流のエンジニアとチャットやチケットでやり取りしながら作業実施。成果物、試験結果等をチケットに登録
  10. AIが実際の作業期間、成果物の品質等によりエンジニアを評価(品質なんかは一定期間ウォッチが必要なので、リリース後xか月に発見されたバグ数とかを後でフィードバック
  11. AIが決定したそのタスクの標準納期より早く仕上がった場合は、追加インセンティブが支払われる。逆のケースは担当エンジニアの評価が下がり、次回ありつける仕事のランクが下がる
  12. エンジニアは評価が上がってくれば、単価の高い(難易度の高い)業務に入札出来る様になる
  13. ちなみにAIは要件書や仕様書の曖昧性チェックや、担当エンジニアからの質問、確認事項等から上流のエンジニアについて評価を行う。input品質の悪いSEとからの案件を積極的に受ける人に高評価与えたり、単金上げたり。

こんな感じで仕事の割り振りやら、業績とか能力考課やらもすべてデータ分析の結果で自動的に進められる。
仕事を受けるエンジニアもいちいち上司の管理職と対面コミュニケーションしなくても良いので楽。(ただし、給与システムが上記の通りなので、自分で努力して積極的にタスク取る必要あり。フリーライダーを許さない、ある意味厳しいシステム)
ちなみに発注者たる上流のエンジニアとのコミュニケーションもチャットとかチケットシステムで可能な限りやる。

いやいや対面コミュニケーション要るでしょ?という人が結構居るけど、そういう人は実のところ、要件とか仕様をロジカルに明確に書くところを手を抜いて、相手に行間読ませることで効率上げたいとかが半分くらいある気がするし、そもそもちゃんと要件書けない人だったりするので、むしろ対面コミュニケーション制限して、ドキュメントで必要な事が伝わる様に訓練することも大事だと思う。まあ、対面コミュニケーションゼロにはならないんだけど。

課題は色々あって、

  • タスクの価格決定のやり方気を付けないと、会社サイドが入札システムをタスクを安く買い叩く手段にしかねない..とか
  • エンジニアのスキルを仕事の実績だけで評価して、次の仕事を割り振ると、自己研鑽で新たに身につけたスキルとかがタスク割り振りに反映されないので、なんか工夫が居るとか

    (プライベートで勉強した成果をgithubとかに上げてもらって、それをAIが自動評価するとか...)
  • 一時的にタスクが減って、がんばってタスクに応札しても歩合給を全然稼げない人に対するセーフティネットとか
まあ、でも実のところフリーランスエンジニアに仕事を紹介するクラウドソーシングサービスとかは、レベルの大小あれど既に似たような事やってる気がするので、実現出来ない話じゃないと思う。
こういうクラウドソーシングサービスがそのシステムを進化させて、Human Resource Management as a Serviceみたいな形で、Private PJにも適用出来る様なったりするんじゃないかと。

ただ、問題は自社サービスやプロダクト開発がメインのモダンなITベンチャーとかなら、このシステムで行けそうだけど、国内のIT産業の9割以上占めてそうな受託メインのITゼネコンとその下請けにはこのシステムの適用は難しい気がすること。

でも、こんな仕組みできれば自分もマネージメントから解放されて、1エンジニアに戻れるかな?
ってゆーか、世の中の管理職が大量失業か..もちろん管理職の仕事ってHRMだけじゃないし、ミクロなリソース管理は上記で出来ても、ある程度大きな会社のマクロなリソース計画とかは上記のシステムでは無理なので、そういうところは人間がやるのか。それはそれでマクロなリソース計画を考えるAIを作るのか?
AIで真っ先に失業するのは管理職だ!!みたいな記事も良く見かけるので、やっぱり先進的なITベンチャーとかは上の様なシステムに進むんじゃなかろうか?
そもそも管理職になりたく無い人がいっぱい居る時代だからAIで管理職の必要数が減るのはやっぱり良い事なのか?

どうですかね?これ?