[diary]コミュ障エンジニアを使う側のしんどさ
一昨日からとても気になっているこのエントリー。
aikawame.hateblo.jp
普段あまり重い事書かないので、触れようか触れまいか悩んだんだけど...
自分も基本子供の頃から対人コミュニケーションが苦手なコミュ障エンジニア(ソフト屋です)で、aikawameさん同様に会社に入ってからどうにか経験積んで、表面的にはそれなりのコミュニケーションが取れるになった人間です。
自分で言うのも少し恥ずかしいですが、社内的には結構技術を尖らせてきたので英語なんかも出来る様にがんばったので、周りにも自分の個性含めてそれなりに認めてもらえる様になり、随分楽になりました。(でも今でも対人コミュニケーションは苦手。会社の飲み会なんかも出来る限り回避。忘年会くらいは出るけど)
ただ、その副作用として、ある時期以降、マネージメントサイドに引き上げられて(これ自体は、でも引き上げてくれた人たちには感謝しています)、結果的にどこの部署にも一定数居る自分と同じ様なコミュ障エンジニアをまさに「適材適所」で使うことを要請される立場になりました。その立場から見るとaikawameさんの感覚は良く理解できるものの、「そういう特性の人もいるよ、互いの個性を尊重し合って適材適所が良いよね」という視点に対しては「そんな簡単なもんじゃねえよ。」と思う自分も居たりする。(aikawameさんもそこは判っているのだと思いますが)
挨拶に関しては、別にしてくれなくても自分は気になりません。
ちょっとキレイに文章にならないので、ぶつ切り、箇条書き。
- ASD持ちとかに対象を限らず、うちの会社では何年も前から「ダイバーシティ」教育とかやっていて、個人や文化の多様性を尊重しようとか言ってるけど、現場の実態はそんなキレイには出来ていない
- ASDあるいはASDグレーゾーンのコミュ障エンジニアに優秀なエンジニアが多いというは、トータルの実力で見ると怪しいと思う
- 自分の経験の範囲ではこのタイプのエンジニアはたいてい、ソフト開発で言えば下流の実装とか問題解析とかオープンソースの組み込みとかには強いけど、上流が出来ない人が多い...使いどころが限られる
- 上流に行くほどコミュニケーション能力が必要なので、これは当然の帰結。要件とかソフトウェア企画とか、プレゼン苦手なら誰が見ても「おお！！」となるプロトタイプを一人で作っちゃうくらいの技術力あればそれが企画書代わりになるし「優秀」だと思うけど、そこまでの人はそうそう居ない
- ちなみに、実装に関して確かに神が宿るレベルのこだわり実装をしてくれる稀有な人材が稀に居なくも無いが、そもそもそういう実装が求められる仕事ばかりではないし...
- 適材適所というけど、会社は適所適材。仕事があって、そこに人を付けると、コミュ障エンジニアにアサイン出来る仕事量が不足する事多々。遊ばせられないので、無理やり仕事捻り出すという本末転倒の苦しさ
- これって「互いの個性を尊重」じゃなくて、こちらが一方的に気を使ってるだけなので、こちらが苦しんで仕事のアサインをしても理解されてるかも判らないし、何かしら感謝の気持ちが伝えられたりもしないので、やっぱり人間だからイライラが募る
- ASDとかに限らず、「生きづらさを抱えた人達に対して、多様性の理解と少しの思いやりや配慮で、生きづらさを軽減する」というのはポリティカル・コレクトネス的には正しいかもしれないが、現実は「少しの思いやりや配慮」では済まなくて、特定の人(大抵は管理職)に思い切り負担になっている..それは結構精神的に追い込まれるくらい辛い事も
- ある人たちの「生きづらさ」を軽減するために別の人の「生きづらさ」を増してしまったら意味無いじゃん...
なので、何言ってるか整理されていないけど、「挨拶するしない」は正直どうでも良くて、当人達が色々辛いのは判るのだけど、やっぱり周りの辛さも理解して歩み寄って欲しい...苦手なことも少し背伸びしてチャレンジして欲しいと思うのは、やっぱり厳しいのかなあ..
医者にASDとか診断されるレベルの人だと苦しいんでしょうね...自分は多分そこまで行っていないから、どこまでを求めて良いのか、日々悩んでいます。(今の職場に結構コミュニケーション難しい人が居たりするので)
えっと、aikawameさんがASDな人たちに対して特別な配慮を求めているとか、そういうわけではない事も理解しているつもり。
ただ頭での理解と、現実の行動への反映はそう容易ではないという話です。例え健常に発達した人であっても、この手の配慮に苦しむ事で自身が鬱になったりすることもあるので。
うーん、やっぱ書かない方が良かったかな...どこにもポジティブな要素が無いただの愚痴になってる。
時間があったら、
aikawame.hateblo.jp
の自分バージョンを書いてみたいと思います。(言いっぱなしジャーマンかもしれないけど)
