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天体望遠鏡 MAKSY60/マクシー60購入

サイトロンジャパンから発売されている学習用天体望遠鏡マクシー60を購入しました。超初心者の初天体望遠鏡です。

www.sightron.co.jp

概要は発売元のホームページを見て頂ければ良いのですが、マクストロフ・カセグレン式という反射望遠鏡の一種です。現物を見ると判りますが、大変コンパクトな望遠鏡です。
測ると本体全長は20cmくらい。付属の正立天頂プリズムを合わせてもわずか25cmくらいでしょうか。


これで天体望遠鏡なの?というくらいコンパクトです。

焦点距離は750mmで、焦点距離20mmのアイピースが付属するので37.5倍の倍率です。

学習用と説明されており、何が学習用なの?というと、どうやら鏡筒の上部がフタになっており、パカッと開いて中の構造が見られる...天体望遠鏡の構造を学習するためのカットモデルとして使える&実際の望遠鏡としても使えるという事なんだろうと思います。

マクシー60

筐体の左側面に小さい突起が2つあります。これは後方から見て2つの突起の延長線上に観測したい星が来る様に筐体の方向を合わせるための照準マークです。
サイドスコープが無いので、これを使って星を視野に導入します。明るいところだとなんということは無いのですが、夜間だと慣れていないと戸惑います。

付属品

上記のホームページでは
アイピース(20mm、撮影用、スクリーンアイピース)、ゴムバンド、スマートフォンアダプター
となっています。更に卓上用のコンパクトなミニ三脚が付属しています。

これはベランダとか2階、3階の窓の近くの机、あるいはキャンプ用のテーブルとかに置いて使うものの様ですが、うちでは使えそうもなく、室内ディスプレイ用な感じです。

で、アイピースなんですが、20mmとスクリーンアイピースは判るのですが、撮影用というのがどうも良く判らないです。
最初はスマフォアダプターと組み合わせて使うのかと思ったら、取説見て、現物見てもスマフォアダプターは20mmアイピースに固定して使う様に見えます。

20mmとスクリーンアイピースは口径1.25inch(3.175cm)ですが、下記写真真ん中のアイピースは口径が24.5mmで、なぜかこれ用に別の天頂プリズム(写真左)が付属しています。
(写真、右が焦点距離20mmの付属アイピース)

この口径24.5mmの謎のアイピース、実は外装の筒がパカっと外れて、接眼レンズがカットモデル状態で見られる様になっています。

アイピースのカットモデル

鏡筒のフタも開ければ、本体と接眼レンズ部両方がカットモデルになるという事でしょうか。ちなみに鏡筒のフタですが、フタを留具部分の爪が何度も開け閉めすると折れそうな不安感があるので自分は開かずのフタにしようと心に決めています。(1回は開けてみましたけど)
カットモデルになる24.5mm径のアイピースですが、焦点距離の記載は無く、見た感じだと20mmアイピースと見え方は同じ様なので、こちらのアイピースでも一応観測はできそうです。(試していません)
ちなみに色々調べてみるとコルキットスピカのアイピースが24.5mm径なんですね。
コルキットの発売元であるオルビスさんのホームページやAmazonでコルキット用の24.5mm径アイピース色々販売されているので、これを使う事もできそうです。

三脚と微動雲台

で、観測用の三脚ですが、自分は手持ちのカメラ三脚を使う事にしました。ただし、これだと星の導入がつらそうなのでVixenの微動雲台を一緒に購入して三脚に据え付けました。
この状態で天頂の観測は厳しいですが、かなりの迎角は取れます。

日曜日夕方の雲の隙間から月だけ観測してみましたが、月であっても微動雲台無しでは導入は難しい様に感じました。
月の見え方は非常にクリアで息子が喜んで観ていました。土星木星にもトライしたかったのですが、月を見ている間に雲が厚くなってしまいトライできていません。

星の導入の容易性を考えると、焦点距離40mmくらいのアイピース購入して倍率下げた状態で導入してからアイピース交換出来る方が良いかなという感じなので、倍率あげるための10mmと下げるための40mmくらいのアイピースを追加で調達しようかと思っています。

はやくちゃんと晴れた日が来ないかと心待ちにしています。

ちなみに兄弟機のニュートン反射望遠鏡NEWTONYは6千円程度とお安く、これを購入するとついでに焦点距離10mmアイピースが手に入ってしまうのでちょっとグラグラしています。

2020/10/05追記: 木星土星

ようやく夕刻、雲が少なく木星土星が見えたので、試してみました。
やはり最初は導入が大変でした。なんとかコツは掴めましたが、安物カメラ三脚のみではとても導入出来る気がしません。
微動雲台で照準を微調整してなんとか導入できる感じです。

木星はかなりくっきりとピントが合いました。といっても、小さくキレイな円形のオレンジ色の正露丸って感じ。残念ながら縞模様までは判りませんでした。輪郭はシャープでぼやける感じはありません。
土星の方が本当に小さい点の周り、なんとなくリングがあるのが判る程度ですね。倍率37.5倍だとそんなものなのでしょう。
木星とは明らかに異なる感じの形状は分かりました。
これは別にがっかりしたわけではないです。昨今は外惑星探査機から送られたデータをコンピュータで処理した超高解像度画像がいくらでも見れるわけですが、本物なのかCGと呼ぶべきか判らない中で、自分のちっぽけな望遠鏡で本当に土星に輪が有ることが確認できるのか結構感動します。本当にそこに惑星があるんだな..という感じです。


それほど時間掛けなくてもなんとか導入出来ることが判ったので、焦点距離10mmのアイピースを発注しようと思います。

さらに追記: 追加のアイピース購入しました。詳細は下記エントリで。


rc30-popo.hatenablog.com

2020/10/24追記: 月を付属のスマフォアダプターで撮影

夕方晴れていて、月が良く見えたのでMAKSY+付属のスマフォアダプターで撮影してみました。

2020/10/24撮影(MAKSY60+付属の20mm接眼レンズ+付属のスマフォアダプターで撮影

使ったスマフォは古いiPhone4ですが、それなりにちゃんと撮れました。ピント合わせた後、シャッター押すために画面にタッチしただけで鏡筒が揺れてブレるので厳しいかなと思いましたが、月の明るさだとシャッタースピードが十分速いのか、そんなにブレブレにならずに済みました。


ただ、出来ればスマフォに触れずに撮影出来るリモートシャッターがあったほうが良いかなと思います。
ダイソーで300円(税抜き)でかなり以前から売っているBluetoothリモートシャッターが家にあるので、今度はそれを試してみます。


ダイソーBluetoothリモートシャッター

あと、スマフォアダプターですが、背面カメラのレンズが中央にある場合は良いですがiPhoneの様に片側にレンズがオフセットしている場合、6inchクラスのスマフォだと上手く固定できません。iPhone XRではレンズをアダプターのレンズ穴の位置に合わせようとすると固定用のゴムが外れてしまいます。5inchクラスならレンズがオフセットしていてもなんとか撮影可能です。


焦点距離10mmの接眼レンズでも撮影してみたいのですが、MAKSYに付属の接眼レンズにはスマフォアダプターをビスで固定するための「くびれ」があるのですが、Amazonで買ったSVBONYのプロ−セル10mmだとストレートな形状なので固定が難しい気がします。MAKSYの兄弟機のNEWTONYの付属接眼レンズは焦点距離10mmで、スマフォアダプターは共通なので、いっそNEWTONYも購入しちゃおうかみたいな..それより天体撮影用のCCD買った方が良いですね。

2020/10/31追記: 月と土星(2倍バーロー+20mm接眼レンズ)

2倍バーローレンズ+付属の焦点距離20mmアイピース+付属のスマフォアダプターで月と土星の撮影にチャレンジしました。
スマフォは今回も古いiPhone4です。前述の通り、6インチのiPhone XRは上手くスマフォアダプターに固定できません。
あと、撮影時(シャッター操作)の鏡筒振動防止のためにBluetoothリモコンシャッターを使おうとしたのですが、なんとiPhone4では使えない事が判明。どうやらBluetoothのHID Profileをサポートしていない模様。というわけで、近所の100均を回ってかろうじて在庫していたiPhone用の有線リモートシャッターをゲット。
これはアナログイヤフォン端子が付いている古いiPhoneで使えるもので、近所のダイソーやセリアでは見つかりませんでした。そういう意味では初期のiPhone/iPod用のUSBケーブルもだんだん見かけなくなってきています。家には未だにlightning端子じゃないiPhoneiPod,iPod touchが転がっているので、旧車のメンテナンス部品集めのごとく、予備を集めていたりします。

iPhone用有線リモートシャッター

で、撮影した月がこれです。
月の端が欠けているのは、撮影時に視野の中央に導入しきれなかったためで、月自体は満月です。

倍率は上がっているのですが、ピントの合わせ方が難しく、付属20mmアイピース単体で撮影したほうが、写真はクリアに撮れます。


MAKSY60+2倍バーロー+付属20mmアイピース

そして、土星。これはスマフォアダプターを付けたままの状態で導入するのに大変苦労しました。
外した状態だと割と導入出来るのですが、外した状態で導入してからアダプターを付けると、その際に鏡筒の向きが微妙にずれてしまいます。

結局アダプターを付けたまま四苦八苦して導入しました。

一応計算上は75倍の倍率のはずです。
写真にするのが苦しそうだったので、動画モードで撮ってみました。非常に小さいですが、輪があるのがどうにか判ります。


www.youtube.com


色々やってみて判った事は、付属のスマフォアダプターは付属の焦点距離20mmアイピースと組み合わせた月の撮影専用と割りきった方が良さそうです。
NEWTONY購入してスマフォアダプターと噛みあう10mmアイピースは入手しても良さ気ですが。

そして付属の焦点距離20mmのアイピースでの35倍という倍率は初心者にはこのくらいがちょうど良いのかなとも。
天体観測未経験だと倍率100倍とか150倍とかのスペックに惹かれると思いますが、まず対象となる星を視野に導入することができません。35倍でも慣れるまでは月ですら、さくっと視野に入ってきません。

学研から子供用の天体望遠鏡ウルトラムーンが発売されましたが、12倍と25倍という倍率は小学校低学年くらいの子供に使わせるにはちょうど良いというか、良く考えられた見識のある選択なんだろうと思います。(実は、これ購入するかかなり迷ったんですが、天頂プリズム付けられ無さそうだったので止めました。でも月を見るくらいならこれでOKな気が。ただし操作性の良い架台・三脚は必須です。)
星の手帖社の組み立て望遠鏡15倍とかも同様に子供には良いものだろうと思います。
マクシーは鏡筒サイズや価格・性能比で優れた望遠鏡だと思いますが、小学校低学年に自分で使わせるにはちょっと辛いです。普通の規格のアイピース使っている分だけ、アイピースの交換とか神経使うし、壊したらと考えるともう1個買えばいいやくらいの値段であるウルトラムーンや組み立て望遠鏡は有りなのかなと。

hon.gakken.jp

2020/12/13追記:
どうもウルトラムーンは個体差なのか、色収差が出るものが結構あるみたいですね。あと、鏡筒が紙なんだとか。
試しに購入しても良いかと思っていましたが、ちょっと無しですね。国立天文台望遠鏡のほうがお勧め。(価格倍ですけど)



2021/10/01追記:
何時の間にかMAKSY GO 60なるものが出ていますね。
筐体の光学系の基本設計はMAKSY60と同じ様です。架台が違うのと照準用スコープがついているみたい。
あと、アイピースは10mmと20mmがセットになっているので、75倍の観測も可能。ただし、このタイプの架台は置き場所を選びますね。