ローリングコンバットピッチなう!

AIとか仮想化とかペーパークラフトとか

初心者向け天体望遠鏡選び

はじめに

以前から天体望遠鏡が欲しいと思い、最近色々調べています。
そんなに本格的に天体観測しまくりたいわけではなく、小学生の子供に月のクレーターや、出来るなら木星の縞々、土星の輪っかくらいまで見せてあげたい。
で、多分2,3回見たら、以後はそんなに使わない。

子供をダシにしていますが、自分が小中学生だった頃叶わなかった天体望遠鏡所有という夢を今叶えたい(笑)

割とこんなお父さん多いんじゃないでしょうか?

が、いざ買おうと思ってネットとかで機種を調べ始めるとどれを買って良いのか判らない。
安いものだと1万円前後からあるのですが、有名メーカー品でも安物だとまともに見えないみたいな情報も有り、悩みどころです。

というわけでここしばらく色々調べてみた情報を纏めました。

考慮事項

口径と倍率

ネットで色々調べていると木星の大赤斑とか見たければ倍率は150倍以上とか書いてあります。
また1万円台の望遠鏡でも倍率100倍等を謳ったものがありますが、倍率だけ高くても口径が小さい=集光力の小さい対物レンズでは像が暗くなり良く見えないとのこと。
また倍率は対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離で決まり、標準的な口径の接眼レンズを使っており、接眼レンズの交換が可能な望遠鏡であれば、後から接眼レンズを買い足す事で倍率を上げられます。

実用的な最大倍率については下記Vixenのサイトによる対物レンズの口径(mm)の2倍程度。口径50mmであれば約100倍ですね。
口径が大きければ実用になる倍率も大きくなりますが、その分だけ望遠鏡が重く、大きくなるため、普段の保管や実際の操作も難しくなります。
また高倍率になるほど視野がどんどん小さくなるため、初心者が100倍の倍率でピンポイントで目的の星に照準を合わせる(導入と呼ぶ様です)のはかなり困難になります。

というところから小学校低学年くらいだと最初は15倍から30倍程度の倍率でまずは月のクレーターからとなるようです。
また倍率35倍程度で、なんとか土星の輪が見えるとも。(これはまだ自分で試していないのでなんとも言えません)

www.vixen.co.jp

架台

実は望遠鏡以上に大事そうなのが架台、いわゆる三脚ですね。倍率のところで高倍率だと星に照準を合わせるのが大変と書きましたが、数10倍になるとそもそも手持ちではほぼ不可能で、照準があったとしても手ブレでとても落ち着いて見られません。前回のエントリーで書いた推定倍率20倍の自作望遠鏡でもかなりキツイです。

そこで安定し、かつ操作がスムーズな架台が必要になります。
我が家にはカメラ用の安い三脚がありますが、この三脚に自作望遠鏡括りつけて試した限りでは、月に合わせるのも結構大変でした。慣れると木星とかもなんとか導入は可能でしたが。
従って、天体観測専用のしっかりしたものを使うか、あまり重くない望遠鏡をカメラ用三脚に付ける場合でも、微動雲台というものを望遠鏡と三脚の間に挟んで、微調整が効く様にするのが良さそうです。

www.vixen.co.jp

候補

色々ネット上の評判を調査した限りでは5千円〜1万円台くらいで買える天体望遠鏡で使いやすくかつ、月のクレーター程度〜土星の輪くらいまでなんとか見えそうな候補としては下記がありそうです。(まだ、自分では1台も購入していません)
口径としては40mm〜50mm程度(1機種60mmのものを入れてありますが)。
本格的な望遠鏡というより組み立てキット的なものが多くなります。
また架台が付いておらず、カメラ三脚前提のものが多いです。

コルキットスピカもしくはKT-5

低価格だけど、それなりにちゃんと見える定番のキットの様です。
天頂プリズム付きのキットもあるので、天頂付近の高い位置にある星も見やすいはずです。
コルキットスピカが口径40mm,KT-5が50mm。(もっと口径の大きいキットもある様です)

接眼レンズは差し替え可能なので、ある程度の範囲で倍率をあげる事も可能。ただし、接眼レンズの口径が24.5mmで最近の天体望遠鏡としてはマイナーな規格の様です。
コルキットを発売するオルビスさん自身でコルキットに使える様々な焦点距離とレンズ構成(レンズ構成によってピントの合いやすさ、画像のクリアさに結構差が出る様です)のものを販売さいているので、交換用の接眼レンズの入手性自体は悪くなく、比較的安価になっています。

ここに紹介した他のキットが筐体がプラスティック製でビス止めなのにたいしてスピカはボンドで接着なので、工作技術で組みあがりの精度に差が出そうなのが難点でしょうか。

架台は付属してません。(架台も発売元のオルビスさんのサイトで販売しています)

天頂ミラー無しのコルキットスピカ(口径40mm)が2850円とお手頃です。

www.orbys.co.jp



国立天文台望遠鏡キット

国立天文台天体望遠鏡の普及を目指して企画したキットで昨年出たばかりのものです。
Vixenのオンラインストアで購入出来ます。
口径50mmで接眼レンズが16倍と66倍の2種類付属。

架台は付属していません。(Vixenのサイトで架台付きセットも販売)

接眼レンズのピント合わせ機構が接眼レンズ側を回転させてヘリコロイドの伸縮で合わせる方式のため、接眼レンズ自体が回転してしまいます。
今のところ天頂プリズムの装着は考えられていない様です。

5280円+送料(550円)

www.nao.ac.jp
www.vixen-m.co.jp

組立天体望遠鏡35倍

口径40mmの安価なキットです。
15倍のキットと35倍のキットがありますが、35倍ではなんとか土星の輪も確認できる様です。
架台は付属していません。

子供向けの最初の望遠鏡としては非常に安価かつ扱い易そうです。ただし接眼レンズの交換ができないので、これ以上の倍率が必要なら別の望遠鏡を買い求める必要がありそう。
でも、とりあえず月のクレーターが見えればOKなら、これでも十分な気もしています。(安いし、実際、試しに購入してみるか思案中)

2850円。

hoshinotechou.jp

ラプトル50

口径50mm。架台も付いたオールインワンの入門用望遠鏡。接眼レンズは30倍と75倍の2種類が付属。天頂ミラーも付属。
色々調べた限りではかなり評判が良く、しかも国産です。

価格は11,000円と上に上げた望遠鏡よりかなり高くなりますが、完成品ですし、架台含めたトータルのコスパでは多分これがNo.1です。

スコープテック ラプトル50天体望遠鏡セット | スコープタウン

MAKSY60

2020年に発売された新しい望遠鏡。実売価格が12,000円前後。
マクストフ・カセグレン式という反射式と屈折式望遠鏡を組み合わせた仕組みで、コンパクトな鏡筒で長い焦点距離を稼ぐものです。
口径60mm。標準付属の接眼レンズと組み合わせての倍率は35倍。

本格的な架台は付いていませんが、卓上用のミニ三脚が付属しています。

www.sightron.co.jp



上記の中ではラプトル50がどう見てもコスパ最強なのですが、自分の中ではMAKSY60にかなり惹かれています。
MAKSY60と微動雲台を購入して手持ち三脚に載せる事を検討中です。


理由は、架台です。架台付きのしっかりした望遠鏡の方が確実に観測出来るのは判っているのですが、他方で、収納を考えるとそんなにしょっちゅう使うものでも無く、ラプトル50を購入した場合、普段どこに置いておくか?が悩ましいのです。手持ちのカメラ三脚は伸縮式なので普段はコンパクトに畳んでおけます。またビックカメラでMAKSY60の現物見ましたが、本当にコンパクトであの大きさなら置いておく場所も確保できそうです。

MAKSY60は鏡筒の上面がフタになっていて、パカっと開いて中の構造が見えるとか、メカニズムがそそるというのもあります。(実用上はどうでも良い話なんですけどね)

もう少し悩んで決めたいと思います。
後日談: MAKSY60購入しました。

rc30-popo.hatenablog.com